公明党神奈川県議団

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知的障がい児を取り巻く環境の変化とその対応について

高橋 稔 議員(横浜市港南区)

質問

障がい児を取り巻く環境も変化し、昨今は虐待を受けて入所する児童が増え、県ではこうした児童のために、新たに児童自立支援拠点の整備について、ひばりが丘学園と中里学園を再編する方向で進められていた。この拠点整備は、当初、小田原城内高校跡地だったが、平成22年2月に中里学園に変更した後、進捗していないように見受けられる。中里学園は政令市域にあり、敷地面積、建築上の制限など、ひばりが丘学園との統合、再編整備には様々な課題があり、2施設を統合した拠点整備には無理がある。
ひばりが丘学園は、政令市にも障がい児施設が少なかった状況を踏まえ、横浜及び川崎の両政令市児童の入所枠を設けてきた。県と政令市は児童施設設置に同等の権限を有するので、所管地域の児童について、それぞれが必要な入所枠を確保すべきだが、児童自立支援拠点の整備の見込みが具体的でないため、政令市も動きが取りづらくなっていると聞く。
拠点施設をつくるのであれば、もっとスピード感を持って、課題解決に取り組むべきで、あらためて政令市域外への整備等も含め再検討し、早期に方針を示すことが必要である。
そこで、この拠点の整備について、計画の現状なども含め、整備の方向性やスケジュールをどのように考えているのか、所見を伺いたい。

黒岩知事答弁

次に、児童自立支援拠点の整備の方向性について、お尋ねがありました。
児童自立支援拠点は、発達障害や、虐待による情緒・行動上の問題から社会生活に不適応を起こす子どもが増加しているため、こうした子どもたちへの養育支援や、自立に向けて、福祉・医療の面から、総合的、専門的な支援を行う県立の拠点施設として、整備を行うこととしてまいりました。
整備にあたっては、これまでも虐待を受けた子どもなど、支援の難しい子どもを受け入れている県立の中里学園を、再整備する方向で進めてきました。
しかしながら、この間の調査で、建築上の制約から、居室などの建物の配置やグラウンドのスペースの確保が困難となり、機能が十分発揮できないといった課題が見えてまいりました。
また、中里学園は横浜市内にあることから、これまで政令市の定員を併せ持って運営してきましたが、県所管内のニーズの増加傾向に対応するため、県と政令市との役割分担を踏まえ、県所管域でしっかりと定員を確保する必要があります。
さらに、発達障害を始めとする様々な障害のある子どもに対し、この拠点が、児童相談所や発達障害支援センター、総合療育相談センター、総合教育センターとの連携を強化することで、乳幼児期、学齢期から成人期に至るまで、総合的な支援体制を構築することができると考えております。
そこで、この拠点施設については、あらためてこうした施設と連携できる県所管域に整備する方向で、現在、候補地を検討しているところであります。
今後、政令市との定員調整なども並行して行い、今年度中を目途に整備候補地を選定してまいりたいと考えております。
その後、具体的に、調査、設計に着手してまいります。