公明党神奈川県議団

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多角的な就業支援策について

西村 くにこ(川崎市川崎区)

(1) かながわ求職者支援センターについて

かながわ求職者支援センターは、リーマンショック以降の急激な景気悪化の中で、派遣切り等により、職を失うと同時に社宅等の住まいも喪失する状況が社会問題化したことから、国の平成20年度第2次補正予算において創設された緊急雇用創出基金を活用し、3年間の時限措置として設置した施設であることは承知しているが、予定どおり平成23年度末で施設を廃止すると聞いている。
設置当初の課題であった、派遣切り等の解雇に伴う問題は収束したかもしれないが、社会情勢は決してよくなっておらず、依然として求職活動中における生活相談のニーズは高いのではないか。
先日、同センターを訪問したが、1日40人前後が相談に来るとのことであり、年齢層も幅広く、会社になじめないといった若い方から、再就職を願う中高年の方など、様々な悩みを抱えた方の話をじっくり聞いて、相談者の抱える問題を明確にし、必要に応じて最も適した生活支援に関する情報を、職業紹介とあわせて提供し、ときには相談者が次の一歩を踏み出せるように丁寧に対応していた。
引き続く円高に対し、政府の対策は後手後手で、経済状況が突然好転するとはとても思えない。また、完全失業率も高い水準で推移している今、この施設を廃止してもよいのかと疑問を感じている。
そこで、かながわ求職者支援センターのこれまでの成果について、どのように認識しているのか。また、生活相談業務の今後の方向性について、所見を伺いたい。

黒岩知事答弁

次に、多角的な就業支援策について二点お尋ねがありました。まず、「かながわ求職者支援センター」の成果と生活相談業務の今後の方向性についてです。
「かながわ求職者支援センター」は、リーマンショック以降の急激な雇用情勢の悪化に対応するため、平成21年5月、国の緊急雇用創出基金を活用して、3年間の時限で設置したものであります。このセンターでは、国が行う職業紹介と一体となって、住居や生活資金などの支援に関する情報を、利用者一人ひとりの状況やニーズに応じて提供することにより、職を失った方々の生活の安定と再就職を促進してまいりました。
その結果、設置以来、平成23年10月末までに延べ2万8千人を超える方々に利用されています。また、これまでに職業紹介をした約3,800人のうち、実際に就職に結び付いた方は600人を超えており、一定の貢献ができたものと認識しております。
完全失業率は徐々に改善してきてはいるものの、雇用情勢は依然として厳しい状況が続いており、就業と生活の安定が早急に図られるよう求職者の方々を支援していくことが、今後も必要です。そうしたことから、「かながわ求職者支援センター」が行ってきた業務につきましては、平成24年度以降も、国と協力しながら、県の就業支援機関で取り組んでいけるよう検討してまいります。

要望

平成24年度以降も国と連携を取っていくとのことで、ありがとうございます。困っている方や生活に悩んでいる方がたくさんおいでですので、今後ともこのノウハウを生かしていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

(2) 女性の就業支援について

女性の有業率の現状は、30歳代をボトムとするM字型カーブを描き、妊娠・出産による退職者は依然として多いのが現状である。不況で働かざるを得ない女性が急増しているが、情報提供や相談窓口がこれまで必ずしも十分に整備されていなかったのではないか。例えば、就職相談時に子供連れでは時間をかけることも難しいし、一時的な保育所機能のようなものがないと、面接にも行けないのが現状である。
昨年8月、京都府では、全国で初めて、子育て中の女性や母子家庭の方などのニーズに応じてワンストップで支援を展開する「マザーズジョブカフェ」が開設され、この10月には、滋賀県においても、同様の支援を行う「滋賀マザーズジョブステーション」を開設し、この事業を部局連携で実施している。女性が希望に応じて働き続けたり、一たん退職しても希望に合った再就職ができるような支援や環境づくりを行うことがこれまで以上に重要になってくると思う。
そこで、これまで本県が取り組んでいる女性の就業支援の取組に、京都府や滋賀県の例を研究し、女性の就業支援をより一層、しっかりとバックアップしていくべきと考えるが、所見を伺いたい。

黒岩知事答弁

次に、女性の就業支援についてお尋ねをいただきました。
本県では、出産により離職する女性が多く、また、再就職を望んでいても、育児と仕事の両立が難しいため、就職活動自体をあきらめてしまう状況もあることから、女性の就業支援は、たいへん重要な課題であると認識しております。
こうした中、国では、子育て中の女性等を対象に、キッズコーナーを併設した「マザーズハローワーク横浜」などにおいて、保育情報の提供と併せて職業紹介を実施しており、就職件数は、年間1,800件を超えると聞いております。
一方、県では、女性の就業継続を支援するため、「かながわ労働センター」など県内4箇所で、「仕事と子育ての両立に自信が持てない」「働くことに家族の理解が得られない」といった悩みを持つ方へのカウンセリングなどを実施しております。
また、女性の社会参画を支援するため、「かながわ女性センター」では、就職したい、転職したい、キャリアアップを目指したいといった方々のための相談や、管理職をめざす女性を対象としたセミナーなどを実施しております。
さらに、ホームページの「子育て支援情報サービスかながわ」では、子育て中の女性が仕事をする上で必要な様々な保育サービスや、従業員の子育てを応援している事業者の情報等を提供しているところであります。
本県では、高齢化が急速に進み、生産年齢人口が減少しておりますので、これからの神奈川の産業を支える担い手として、女性のさらなる活躍が求められております。
今後は、利用者の利便性向上を図るため、県・国の各機関の連携強化に努めるとともに、他県のワンストップサービスの事例も参考にしながら、女性の就業支援の一層の充実について検討してまいります。