公明党神奈川県議団

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中小企業に対する事業継続計画策定支援について

渡辺 ひとし議員(藤沢市)

質問要旨

企業が、災害時に、事業を継続、あるいは早期に復旧させるための「事業継続計画」、いわゆるBCPが、注目を集めている。
BCPを策定することで、取引先の確保やマーケットシェアの低下防止が図られるなどのメリットがあり、BCPの策定が企業価値を高めることにつながるが、県内中小企業のうち、BCPを策定している企業は、策定中を含めても7%にすぎない。

県では、中小企業のBCP策定支援として、今年度は専門家を無料で派遣する事業を実施していることは承知している。また、県は、地震災害対策を総合的に推進するため、「神奈川県地震災害対策推進条例」の制定に取り組んでおり、条例案では、事業者の責務として、「地震災害発生時においてできる限り事業を継続することができるよう、必要な体制を整備するよう努めるものとする。」と規定されている。

そこで、地震災害対策推進条例の制定を契機として、今後、中小企業におけるBCPの普及啓発と策定支援について、どのような考えで取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

商工労働局長答弁

中小企業に対する事業継続計画、いわゆるBCPの策定支援についてお尋ねがございました。
BCPは、企業が災害や事故、感染症の拡大などにより被害を受けた時、重要な業務を可能な限り早期に再開できるよう、その対策を予め取り決めておく計画で、企業自身にとって、多くのメリットがある取組でございます。
例えば、昨年の東日本大震災が起きた時、県内の金型鋳造メーカーでは、BCPを備えていたため、被災した宮城工場の復旧作業をいち早く行い、操業停止期間を最小限に留めることができました。
このような災害時の企業活動の早期回復は、県民生活にとって必要な物資の供給や雇用の維持といった面で、安全安心の確保にも寄与することから、県は、これまで、BCPの普及に取り組んできました。
具体的には、昨年度、商工会・商工会議所の経営指導員などを対象に研修を行い、BCPに関する相談に対応できる「BCP普及推進者」を全県で86名養成をし、中小企業への普及に努めていただいています。
また、経営コンサルタントなどを対象に専門研修を実施し、中小企業に出向いてBCPの策定を指導助言をする「BCP作成指導者」として、51名の方に登録いただきました。
今年度は、この作成指導者を中小企業に派遣をする事業を実施をしており、現在、希望のあった42社のBCP策定支援に取り組んでいるところです。
こうした取組を踏まえ、今定例会に提案をした「神奈川県地震災害対策推進条例案」では、事業継続に必要な体制整備などを、事業者の責務として位置づけています。
今後は、これまでの取組の成果を活かしながら、さらなる普及啓発と策定支援を進め、BCP策定企業の拡大を図ってまいりたいと考えています。
このため、まずは、条例の周知を含め、商工会等と連携したセミナーなどにより、多くの企業にBCPの理解を深めていただくとともに、普及推進者等を通じて、機会あるごとにBCPの必要性をアピールしてまいります。
また、BCP策定に関心のある中小企業には、作成指導者を直接派遣をすることや、模範となる策定事例を県のホームページ上で「見える化」するなど、具体的な策定支援策を検討してまいります。
私からの答弁は以上でございます。

要望

BCPの取組みについてご答弁をいただきました。これについてはですね、普及に向けて他県では数値目標を設けて取り組んでいるところもあります。そういう意味では、神奈川県としても数値目標を検討すべきと考えますし、その目標を完遂するためにどのようなことが必要なのか、例えば、ご答弁にありました無料作成支援事業をどのくらいの規模でいつまで行っていくのかということを検討していく必要があると、このように考えていますので、この点、ご要望させていただきます。他の要望等につきましては、また、詳細につきましては、委員会等でさらに深めてまいりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。