公明党神奈川県議団

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文字・活字文化の普及について

藤井 しんすけ 議員(神奈川区)

質問要旨

文字・活字には、映像や音などとは違った力がある。  若者の文字・活字離れが言われて久しいが、文字・活字に馴染むには子どもの頃から文字・活字に興味を持ってもらうことが大切である。
神奈川近代文学館では、多くの文学者達に関する様々な資料が収集・保管されておりそうした資料を活用した展覧会を開催している。子どもたちや若者が神奈川近代文学館を訪れ、作家や文学作品の魅力に触れ、文字・活字文化の素晴らしさを実感して欲しいと思う。そのためにも、神奈川には、ゆかりのある多くの文学者がいて、素晴らしい作品を残しており、そうした方々の貴重な財産が神奈川近代文学館にあるということを知ってもらう必要がある。
そこで、神奈川近代文学館では、子どもをはじめ、文字・活字を身近に感じ、良さを分かってもらうため、どのような取組をし、そうした取組をどのように宣伝しているのか、伺いたい。また、知事はこれまで、本を著されており、文字・活字文化の大切さをよく御存じだと思うが、文字・活字文化に対する考えを併せて伺いたい。

知事答弁

神奈川近代文学館は、県内の文学関係者の要請と寄贈などの支援を受け、文学の振興と文化の発展に寄与するため、神奈川縁の資料を収集、保存して、展示し、文学に親しむ機会を提供しています。
この文学館の展示では、作家の肉筆原稿や創作ノートなど、作品が生み出された当時の推敲の跡を辿ることができる資料や、作家愛用の万年筆といった遺品を間近に見ることができ、著名な作家を、文字と格闘した一人の人間として身近に感じることができます。
また、文学館では、子どもの頃から文字・活字に親しんでもらうよう、夏休みの児童文学展や映画会、紙芝居、読み聞かせ会などを開催しています。中学・高校に向けては、夏目漱石、井上靖といった授業で取り上げられる作家の肖像や原稿の写真パネルの貸出し、教員や学校司書を対象とした研修を行い、文学館の活用を促しています。
次に広報ですが、パブリシティを活用するほか展覧会にあわせて新聞に記事を寄稿したり、ラジオで紹介をしています。また、作家の個性を生かしたポスターを作成し、鉄道会社やコンビニなどの協力を得て貼っています。
さらに、幅広い層の方々に文学館を訪れていただくため、芥川龍之介や太宰治、井上ひさしなど多くのファンを持つ人気作家の展覧会や、周辺施設との協力による映画「コクリコ坂から」の舞台となった横浜の隠れた名所を巡るスタンプラリーを開催するなど、様々な工夫をしております。
今後は、展示を見ながらスマートフォンなど携帯端末で解説を聞くことができるようにするなど、誰もが文学館を身近に楽しめるよう一層工夫していきます。
次に、文字・活字文化に対する私の思いです。
私は知事就任直後に文学館の遠藤周作展を見に行きました。遠藤さんは私の出身中学・高校の先輩であり、同じ国語の教師に教わっているというご縁があります。この恩師の授業は中学の3年間をかけて、明治時代の東京の子どもの生活を描いた「銀の匙」という本をじっくり読み込むという独特のものでした。
この授業を通して私は日本語だけでなく、日本の歴史、文化、伝統、風習、風俗など、様々な事を学びました。同時に、日本語の美しさと楽しさを発見し、徹底的に言葉にこだわることの大切さを学んだものです。
自分の気持ちを文章に表してみることは、まさに自分自身を知り発見することでもあります。国語は、学ぶ力の背骨であり、観察力、判断力、推理力、総合力などの土台です。国語力は社会に出て自分を表現する力であり、生きる力であるとも言えます。
私はぜひ、若い人たちに文字・活字文化の持つ無限の可能性と奥深さ、その魅力をしっかりと学んでもらい、教養と生きる力を身に付け、人を引きつけるマグネット力を持つ人間となって欲しいと思っています。