公明党神奈川県議団

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社会的就労困難者の雇用機会の拡大について

小野寺 慎一郎 議員(横浜市旭区)

質問要旨

ソーシャルファームは、障害者や、労働市場で著しく不利な立場にある人々のために、安定的な雇用と賃金を確保する目的をもって活動する企業等である。労働市場において不利な立場にある人々を福祉的就労や一般企業での就労に任せるのは限界があり、その解決策の一つとしてソーシャルファームへの期待が高まりつつある。
本県は、障害者雇用の促進や、就職困難な若者等へのサポートに取り組んでいるが、第三の雇用ともいうべきソーシャルファームは、就労困難者に対する雇用の機会を拡大する有効な手段と考える。
そこで、ソーシャルファームは、助成金など公的な財源に依存しないことを理想としているが、経済的自立のためには市場競争力のある商品やサービスを創出し、販売していく力が求められ、そこには、いわゆる社会的起業に対する支援として、公の関与も必要になる。
県として、ソーシャルファームの起業を促進するためにどのような取組をしていくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

現在、県では、障害者や高齢者、ニート、引きこもりの若者など、就労が困難な方に対して、相談やカウンセリングなどにより、その就労支援に取り組んでいます。
お話しのソーシャルファームは、こうした障害者などを積極的に雇用することを目的として、企業やNPO法人を立ち上げ、就労の場を提供する、新たな民間の取組です。
例えば、県内でも、障害者を多数雇用するため、養護学校の教員が定年退職をきっかけに、パンの製造・販売を行う株式会社を立ち上げた事例などがあります。
このようなソーシャルファームは、企業的な経営手法を用いることで、少ない公費負担で就労困難な方の雇用の場を拡大すること、自立した生活を送れる賃金が払われること、仕事を通じた社会参加が促進されること、などといった利点があると言われています。
こうした点からも、私は、ソーシャルファームは、就労困難な方の雇用の場を拡大していく取組の一つと考えております。
しかし、その一方で、事業を継続させていくためには、商品やサービスなどの開発力や販売力の強化、資金の確保などといった、ビジネス上の課題を解決する必要があります。
そこで、県としては、まず、ソーシャルファームの先進的な事例を調べ、どのような形であれば雇用の拡大につながっていくのか、しっかりと把握していきます。
そして、県のホームページ等で事例を広く紹介し、その認知度を高めることを通じて、起業の促進を図っていきます。
併せて、起業支援のノウハウを持つ公益財団法人神奈川産業振興センターなどの支援機関と連携し、これからソーシャルファームを立ち上げる方が、ビジネス上の課題を解決できるよう、専門的な相談、指導により手助けしてまいります。

要望

ソーシャルインクリュージョン社会的包括の具体的な形の一つということで、福祉と産業雇用施策のボーダーにあるようなものでありますが、前向きな答弁をいただきました。
ソーシャルファームはまだまだ我が国では地に着いたばかりだと私も承知しておりますが、是非ヨーロッパ諸国そしてアジアでは韓国が比較的普及・定着しているとお聞きしましたので、そうした国々の先進事例などもこれから研究を進めていただきたいと要望をさせていただきます。
ソーシャルファームは、障害者だけではなくて、本当に幅広い方が対象となる可能性があります。
刑余者、元受刑者の人達、難病と闘っている人達、ひきこもりの若者、そういった方々が対象となります。
今回は起業支援という形で質問をさせていただきましたが、この問題につきましては、知事が日頃おっしゃっているクロスファンクションという形で臨んでいただきたいと思います。
自治体によっては福祉部局が主導してこのソーシャルファームを知ってもらうシンポジウムを行っているところもありますので、検討願います。