公明党神奈川県議団

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糖尿病対策について

佐々木 正行 議員 (相模原市)

質問要旨

糖尿病は重症化すると治療が困難で、重篤な合併症を併発する。また、人口透析や中途失明の原因疾患であり、さらに、心筋梗塞や脳卒中のリスクの増加や、認知症やがんとの関連性も報告されている。

生活習慣病の中でも糖尿病は、重篤かつ難治な合併症や、これにかかる高額な医療費の問題などを抱えている。特に生活習慣により発症する2型糖尿病は、日常において重症化するまで痛みなどの自覚症状がなく、県民一人ひとりの課題認識が薄いことが課題である。また、糖尿病対策に取り組むことで、医療費の大幅な抑制が期待される。

現在、医師会や糖尿病学会等が中心となって取り組んでいるが、今後は県として、予防から治療までの糖尿病対策の強化が必要である。


そこで、県民の健康寿命の延伸や、社会保障負担に大きな影響を及ぼす糖尿病について、県民一人ひとりの課題認識を喚起するための対策の強化が必要と考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁

糖尿病は、初期の段階では自覚症状がないため、診察を受けない方や、治療を開始しても途中で止めてしまう方も多く、体調の変化に気づいたときには病状が進行し、改善が難しくなる場合があります。しかも、重症化すると、網膜症による失明や、一生涯/人工透析を続けなければならなくなるなど、個人の社会生活や、医療費などに大きな影響を及ぼします。

県では、現在、「未病を治すかながわ宣言」に基づき、糖尿病など生活習慣病を「未病」の段階から改善するため、望ましい食や運動などの普及啓発を行っています。

現在検討を進めている「未病センター」では、身近な場所でこうした普及啓発を行うとともに、健康チェックや相談の機能を備える予定です。

また、糖尿病やその予備軍を早期に発見するための特定健診の受診率向上や、重症化をさせないため、個々の方に生活改善を促す、保健指導モデル事業などに取り組んでいます。さらに、地域で効果的な治療が受けられるよう、かかりつけ医と歯科医や薬剤師などが連携する、地域連携クリティカルパスの導入を、県の茅ヶ崎保健福祉事務所が中心になって、茅ヶ崎寒川地区で進めています。具体的には、クリティカルパスの内容を盛り込んだ「糖尿病連携手帳」を配布し、患者の方が治療を途中で断念しないよう、関係者が連携して支える取組みを推進しています。

また、患者の皆さんも加入している糖尿病協会や県医師会、糖尿病学会が中心となり、 11月14日の世界糖尿病デーに合わせ、市民講座を開催するなど、普及啓発に積極的に取り組んでいます。

しかしながら、患者は年々増加していますので、糖尿病にならない、重症化させないことの大切さを、県民の皆さん一人一人に訴えていく必要があります。県としては、今後、県医師会など医療関係団体や患者団体の皆さんと一層連携し、対策を強化していかなければならないと考えています。

再質問

茅ヶ崎寒川地区において先進的に取り組んでいる、糖尿病地域連携クリティカルパスの取組みについて、非常に有効であると思っています。このパスを全県に広げていくことが必要でないかと考えています。今後、糖尿病地域連携クリティカルパスの全県への拡大について見解を伺いたい。

知事再答弁

茅ヶ崎寒川地区において取り組んでいる糖尿病地域連携クリティカルパスの取組みを全県に広げて行くべきではないのかとのご指摘であります。私も全くその通りだと思います。茅ヶ崎での成功事例を、他の地域にも広げられるよう、各保健福祉事務所でも取り組んでいく必要があると考えています。

さらに、県内全体の効果的な取組みを把握しながら、情報の共有をすることで、効果的な取組みを全県に広げていくことが重要であると考えております。

要望

日本糖尿病学会と日本がん学会における調査研究で、糖尿病とがんの関連が指摘されておりまして、九州大学の研究などでも糖尿病と認知症の関連が指摘されていますが、その中で、これまで神奈川県においては糖尿病の対策については健康増進の側面からのアプローチに限ってきたと言っても過言でない、十分な対策が取られてきていないと思っています。  しかし、先程申し上げましたとおり、医療費の削減についても克服していくためにも、この糖尿病対策は非常に重要だと思っています。将来、がんになるリスクを下げる、認知症のリスクを下げるためにも、糖尿病対策をしっかりやっていくべきと思っています。

その意味で、今後は将来的には条例の制定も必要なのではないのか、あるいは知事からの強い発信を宣言していくことも大事なのではないのか、そのようなことも是非検討していただきたいと思います。