公明党神奈川県議団

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糖尿病対策について

佐々木 正行 議員(相模原市)

質問要旨

糖尿病対策は、本県の「未病を治す」取組の大きな柱だと考えるが、糖尿病で問題なのは予防に無関心な人が多いことである。また、重症化すると治療が困難で、重篤な合併症を併発するおそれがあるため、重症化を予防することが重要であるが、自覚症状があまりなく、食事療法や運動療法が長続きしない人が多いことも問題である。

さらに、かかりつけ医や歯科医師、栄養士や薬剤師など、多職種による連携体制により、糖尿病患者を地域で支えるネットワークも重要である。


そこで、国民の約2,050万人が糖尿病またはその予備軍と言われ、糖尿病は、県民の健康寿命の延伸や、社会保障負担にも大きな影響を及ぼすが、「未病を治す」取組の効果が大きく期待できるものと考えるので、糖尿病対策の柱とも言える発症予防や重症化予防対策のさらなる強化の方向性について、所見を伺いたい。

知事答弁

糖尿病は、超高齢社会の到来に伴い一層の増加が予想されているうえ、個人の生活や医療費などに大きな影響を及ぼすことから、発症させない、重症化させないための対策強化は喫緊の課題です。

まず、発症させないための対策ですが、糖尿病は、生活習慣病の典型的な疾患であることから、食・運動・社会参加による「未病を治す」取組みが重要です。

しかし、自覚症状が殆ど無く、無関心な方も多いため、「未病」の段階から、本人が糖尿病にならないことの重要性を自覚し、生活習慣の改善に自発的に取り組むよう、効果的な普及啓発が必要です。

そこで、県では、11月14日の世界糖尿病デーに連動し、今回初めて、県庁舎のブルーライトアップを行い、糖尿病対策の重要性を訴えました。また、駅前の大型ビジョンやバス車内のデジタルサイネージを活用した情報発信を行うなど、普及啓発の強化を図っているところです。

さらに、今月から「未病サポーター養成研修」を県内各地で開催し、受講者の皆さんに、糖尿病にならないことの重要性を学んでいただくとともに、家族や友人に「クチコミ」で周知していただくこととしています。

次に、重症化させないためには、食事療法や運動療法などの治療を中断しないよう、医療側から患者への積極的な指導が重要です。

そこで、県では、茅ヶ崎寒川地区における地域連携クリティカルパスによる患者支援など、先進的な取組みについて、県糖尿病対策連絡会で情報共有をするなど、全県での対策強化に努めています。さらに、患者に身近な薬局などと連携した、糖尿病連携手帳の活用促進や、地域特性に応じた、様々な医療関係者による糖尿病患者をサポートする仕組みづくりについて検討しているところです。

また県では、元日本看護協会会長で、本県の顧問を務めている久常節子氏の指導により、糖尿病などの生活習慣病対策である「かながわ保健指導モデル事業」を、平成25年度から海老名市、寒川町、大磯町と共同で実施しています。この事業の参加者の多くが、血圧や血糖などの項目で、参加前より検査数値の改善につながるなどの成果が出ていますので、こうした取組みも、さらに広げたいと考えています。

今後も、糖尿病予防に無関心な方への効果的なアプローチや、重症化させないための取組みについて関係団体との連携を進め、糖尿病対策の強化に取り組んでまいります。

再質問

糖尿病は、知事の認識どおり、発症予防から重症予防まで非常に大事な取組みをしていかなければならない。知事の健康寿命を日本一にしていく、そういう観点からも非常に大事な取組みであると認識している。

その中で、今、答弁いただいた未病サポーターですとか、保健指導モデル事業は非常に大事な観点であり、知事も力を入れていることは承知している。予防の関係については、非常にいい取組みをしているが、医療従事者関連の取組みについても、より一層進めていただきたいと考えている。

具体的に仕組みづくりを検討していくと知事は答弁されたが、クリティカルパスだけでなく、軽症の糖尿病とか、境界型の取り扱いの基本指針のようなものを作成していただきたいと思っているし、また、重症化や合併症予防、このための保健医療連携体制の構築に向けた指針などを作成していただくことが具体的でよいと思っている。是非、そのうえで、かかりつけ医と専門医との連携が大事ですので、かかりつけ医に研修を実施してもらい、是非、糖尿病連携医のこういう設置をお願いしたい。

再質問による知事答弁

医療従事者間の連携、そうした連携ができる研修が必要ではないかとの質問について、糖尿病を重症化させないためには、食事療法や運動療法などの治療を中断しないよう、様々な医療関係者が連携して患者をサポートすることが大変重要です。

現在、糖尿病患者をサポートする仕組みづくりについて、関係団体と協議していますので、その中で医療関係者向けの研修についても検討してまいりたいと考えています。