公明党神奈川県議団

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ヘルスイノベーションスクールについて

谷口 かずふみ議員(大和市)

質問要旨

運営費については、2学年で30名の学生に対し、約7億円の年間運営費を想定しているが、厳しい財政状況の下、多額の県費投入にあたり、どのような教育に投資し、本県にどういう投資効果があるのか、育った人材がどう貢献してくれるのか、丁寧な説明が求められ、県民の理解を得るには、目標や成果を予め「見える化」する必要がある。更に、目標は、定性的なものではなく、大学院が行っていることが目標にどのような影響を与えるか検証可能なものでなければならない。

そこで、平成31年度に設置を予定しているヘルスイノベーションスクールに関して、ターゲットとなる学生やカリキュラム、経費の内訳についてはどのように想定しているのか伺いたい。更に、同スクールで育成された人材が、県民のためにどのような形で、どれくらいのメリットをもたらすことを目標とするのか、明確にわかるよう数値などで示すべきと考えるが、併せて伺いたい。

知事答弁

同スクールは、超高齢社会を乗り越えるため、起業家精神を持ち、保健医療分野で社会変革を起こすことができる人材の育成を目指しています。
同スクールがターゲットとする入学者は、主に社会人で、具体的には、ヘルスケア関連企業や病院の従事者、行政機関の政策立案者、海外の政府機関からの留学生などを想定しています。
また、カリキュラムについては、疫学や生物統計学など公衆衛生学の基本分野に加え、イノベーションの創出に必要となる先端技術やビジネスに関する科目のほか、病院、医療研究機関などの現場で調査・研究するフィールド実習なども検討しています。
さらに、経費約7億円の内訳については、試算の段階ではありますが、人件費を約3億円、不動産賃貸料を約1億円、研究費や維持運営費等その他経費を約3億円と想定しています。
次に、県民へどのようなメリットをもたらすかの目標についてです。
同スクールが設置される川崎市殿町は、ライフサイエンス関連の企業や研究機関等が集積しています。
そのため、育成された人材が、例えば、ヘルステクノロジーやイノベーションの知識を活かして、同地区で研究者として活躍したり、新たなビジネスを起こすことで、最先端医療がより早く県民に届くようになることが期待されます。
また、同スクールにおいてはシンクタンク機能を担うことも検討しており、例えばデータサイエンスを駆使した革新的な政策を提言し、それを県が実現することで県民に大きなメリットをもたらすことも期待されます。
しかしながら、こうしたメリットを数値目標で示すことは難しいと考えます。
一方、各分野で活躍する人材を育成するためには、同スクールの教育・研究の質的向上が重要であり、そのための数値目標については、今後、検討していきたいと考えています。
ヘルスイノベーションスクールで育成された人材が担う研究や新たなビジネスなどが生み出すイノベーションを通じて、経済のエンジンを回すとともに県民の健康寿命の延伸を目指してまいります。

再質問

数値目標で示すことは難しいというお話でしたけれども、この研究科を設置する理念は一定の理解はしますけれども、しかしながら、ここに一人当たり、単純に計算して2,300万円の県費を投入することについて、やはり、それが神奈川県に、また県民の皆さんにメリットがあるというやっぱり目に見える形の目標をつくるっていうことが大事なんじゃないでしょうか。
今回、知事が指示をされる中期目標が議案として出ておりますけれども、例えば、この中期目標を受けて、大学側が中期計画をたてるわけですけれども、この中期計画をたてる際に、さらに具体的な数値目標を盛り込んでいくべきだというふうに考えますけれども、見解を伺います。

再質問への知事答弁

このヘルスイノベーションスクールというものは、大学院の研究科でありまして、教育や研究を通して社会に貢献していくということが求められております。
このため、同スクールが目指す社会変革を起こすことのできる人材の育成、地域に貢献する研究、これを着実に行っていくため、今定例会にお諮りしています公立大学法人神奈川県立保健福祉大学中期目標議案のご議決をいただいた後、この中期目標に基づき大学が策定する中期計画の中で、教育や研究の質的向上を図る数値目標、これは検討してまいりたいと考えております。
具体的には、教員が発表する学術論文や著書等の件数、国の競争的研究資金の件数、教育能力の向上のための研修の実施回数などの数値目標の設定、これを、今後、検討していきたいと考えております。

要望

中期計画の中に学術論文とか、等々、そういう数値も盛り込みたいというお話がありましたけれども、7億という大きな県費です。
もう一歩踏み込んで、県民の皆さんに説明できるように取り組んでいただきたいというふうに思います。