公明党神奈川県議団
県立病院におけるがん医療の提供について
西村 くにこ議員(川崎市川崎区)
質問要旨
診療報酬改定で内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」を使う手術の保険適用が拡大され、がんセンターでも今年度導入予定である。今後はダビンチを使う手術と重粒子線治療のそれぞれの特性を生かしながら、最先端医療の活用を図っていく必要がある。また、がん医療で大切なことは、患者に寄り添った最適な治療や支援の提供である。
しかし、AYA世代と呼ばれる思春期や若年世代のがん患者には、十分な対応ができていない。県立病院があらゆる世代のがん患者に寄り添った医療を提供していくためには、最先端医療のさらなる活用や、特に対策が求められるAYA世代のがん患者への支援の充実に取り組むべきと考える。
そこで、がんセンターでは最先端医療をどのように活用していくのか、また、AYA世代のがん患者への支援に県立病院としてどのように取り組むのか、所見を伺いたい。
知事答弁
[がんセンターにおける最先端医療の活用について]
がんセンターでは、重粒子線治療など最先端の医療を提供しており、さらに今年の10月には、がん治療のより一層の充実のため、新たに手術支援ロボット「ダビンチ」を稼働させる予定です。
ダビンチを用いた手術は、傷口が小さく患者の回復が早いという特長があります。一方、重粒子線治療は、合併症があるなどダビンチ手術が困難な患者にも、効果を発揮します。
がんセンターでは、こうした最先端医療のそれぞれの利点を生かして、患者の治療の選択肢を広げ、一人ひとりに最適ながん医療を提供していきます。
[思春期から30代までの、いわゆるAYA世代のがん患者への支援について]
AYA世代は、小児に多く発症するがんと、成人期に多く発症するがんの、いずれのケースもあるため、適切な医療機関で治療を受けることに苦労する場合があります。また、年代によって就学や就労、子どもを持てるかなど、患者ニーズが大きく異なります。
こども医療センターでは、AYA世代の小児がん患者に対応するため、15歳以上の小児がんの初診患者を受け入れていますが、患者が成人した後に発症した合併症や、後遺症への対応が難しいなどの課題があります。
また、がんセンターでは、乳がんなど、成人期のがんを発症したAYA世代の患者を受け入れており、この世代の患者特有の悩みに、きめ細かく対応することが求められています。そこで、病院機構では、AYA世代のがん患者に切れ目なく対応するため、こども医療センターとがんセンターが連携して、医療提供体制や相談支援を強化するための仕組みづくりを進めていきます。その上で、他の医療機関や、教育・労働などの関係機関との連携を深め、AYA世代のがん患者への支援を充実させていきます。
県立病院があらゆる年代のがん患者に最適な医療を提供し、県民の「いのちの砦」としてさらに信頼されるよう、県としても病院機構の取組みを支援してまいります。
要望
これまで以上にがんセンターとこども医療センターが連携をしていくとおっしゃいましたが、生殖医療、精子や卵子を保管する、そういった治療・医療を行っていく、この機能は双方の病院にないはずです。
今後はこういった生殖医療を保有する病院との連携も、より一層充実を図っていただくよう、要望いたします。