公明党神奈川県議団

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EVを活用したエネルギー政策の展開について

鈴木 ひでし議員(横浜市鶴見区)

質問要旨

太陽光発電については、いわゆる「2019年問題」もクローズアップされており、太陽光発電の普及マインドの冷え込みも危惧される。こうしたタイミングで、余剰の電力を安い価格で売電してしまうのではなく、EV(*1)を蓄電池として使用できるようにし、夜間の自家消費等に使えるようにする「VEHICLE TO HOME」の普及を目指すべきであり、その為に必要となる機器導入に対する補助等の支援を行うことは、まさに一石二鳥の施策だと考える。

 そこで、知事は、7年前、「4年間で200万戸に太陽光パネルを設置」という公約を掲げて当選し、太陽光発電の普及を強力に進めてきたが、そうしたこれまでの取組やEVの累計登録台数が全国1位であるといった本県の特性を踏まえ、太陽光発電とEVの蓄電池機能を活用する「VEHICLE TO HOME」の取組を支援すべきと考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁

EVは、走行時にCO2などのガスを排出せず、地球温暖化の防止に効果的であるほか、災害時の非常用電源としても活用できることから、平成26年4月に策定した「かながわスマートエネルギー計画」に分散型電源として位置づけ、普及を図ってきました。
 EVの本格的な普及が始まる中、家庭において、EVの蓄電池を活用した電力マネジメント、いわゆる「VEHICLE TO HOME」が、注目されています。
 そうしたEVの蓄電池機能の活用に不可欠となるのが、建物からEVへの充電機能と、逆にEVに貯めてある電気を、建物へ供給する給電機能、この充電機能と給電機能の両方を有している充給電器です。
 充給電器を導入することにより、例えば、住宅では、EVと太陽光発電とを組み合わせて、昼間の余剰電力をEVに貯めて、夜間に無駄なく使用できることから、「太陽光発電の2019年問題」への対応としても有効です。
 また、事業所では、電力の最大使用時にEVから電力を供給してピークカットを行うことで、電気料金の節減が可能となります。
 こうしたEVの活用を普及させるため、今年度、従業員が通勤用車両に職場で充電するとともに、EVと充給電器、太陽光発電を活用して建物に電力を供給する「ワークプレイスチャージング」のモデル事業を進めています。
 今後は、この「ワークプレイスチャージング」のモデル事業の効果検証を行い、効果を事業所に周知していくとともに、ご提案の、住宅でEVと太陽光発電を組み合わせ、自家消費するために必要な充給電器に対する支援についても検討したいと思います。
 EVが全国で最も普及している本県の特性を活かし、EVの蓄電池機能の魅力を広くアピールしていくことで、分散型電源としての普及を図り、エネルギーの地産地消を推進してまいります。

要望

知事から具体的にEVの話をいただいてV2H(*2)、これまたある意味では私、提言をさせていただきましたけれども、しっかりと取り組んでいくということであったのですが、一点だけ、知事、また髙澤局長にもお願いがございます。
 どちらかというと、たしかにEVなんですけれども、EVが主流にいくことは私はほぼ間違いないと思います。と申しますのも、15日の土曜日の日経の一面にも日産さんも高級のEVを量産したり、また、ヨーロッパのダイムラー・ベンツ等々なんかについてもEVの導入に向けていくと、ただ私が多くの方から聞かれたことは、例えば、神奈川のスマートエネルギーの計画上は、太陽光発電を補完する形で蓄電池というのがあったと。ところが、蓄電池については、なかなか台数が増えない、こういう状態がやっぱりあるわけでございます。
 ところが、これについては、ある方がおっしゃっていましたが、日産のリーフを買いました、ところが、大変、高価なお金で400万円くらいで買ったとしても、蓄電率が60%くらいあるものを、例えば中古として出すと、失礼ですがお金にならないような値段になる、ということは、裏を返せばどういうことなのかというと、県でも今やってくださっている蓄電池の助成というのはZEH(*3)と言いまして、基本的にすべての太陽光発電の家のところに補助するわけですが、そもそもZEHの設置者というのは、蓄電池というものを念頭において購入されてらっしゃる、私、そこに蓄電池がなかなか伸びない部分があるのではないかと思ったんです。
 願わくば、我が会派としても、次にまた質問をさせていただく流れになるかと思いますけれども、今ある古い蓄電池の活用ということを県が目指していきませんとなかなか、厳しいものがあるのかなと。特にフォーアールエナジーという、具体的にリーフの蓄電池を再利用するような工場も福島のほうに移ったと聞いておりますが、その更なる活用をもう一度また、お願いできればと思っているところでございます。


 (*1)EV・・・Electric Vehicleの略語。電気自動車のこと。
 (*2)V2H・・・Vehicle to Homeの略語。クルマに蓄えた電気を家で使う仕組みのことをいう。
 (*3)ZEH(ゼッチ)・・・Net Zero Energy Houseの略語。「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」のこと。 「2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現する」という政府目標の達成に向け、国が行う平成30年度のZEH支援事業は、経済産業省・国土交通省・環境省との3省連携で推進されている。