公明党神奈川県議団
神奈川県循環器病対策推進計画について
西村 くにこ議員(川崎市川崎区)
西村議員質問
ヘルスケア・ニューフロンティアの取組では、川崎市殿町での再生細胞医療の研究や、湘南地域でのロボットスーツによる介護やリハビリ等の社会実装等が推進されているが、より具体的な研究成果が計画に盛り込まれることを期待している。
また、2020年、国立循環器病研究センターは、日本の急性期脳梗塞の医療の全国実態を発表し、t-PAやカテーテルを使った治療が拡充されてきたが、来院から60分以内でのt-PAの投与など、一部の目標の達成が不十分であることも判明した。予兆による早期受診、医療提供の体制整備、後遺症軽減に向けた早期のリハビリ等、本県の持てる力を最大限に発揮し、脳卒中に立ち向かっていくべきと考える。
そこで、県が今年度中に策定を予定している神奈川県循環器病対策推進計画において、脳卒中に対する体制整備や研究推進に向け、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。
知事答弁
次に、神奈川県循環器病対策推進計画についてお尋ねがありました。
循環器病は、国民の生命や健康に重大な影響を及ぼす疾患であり、高齢化の進展によって、今後も増加することが懸念されます。
国も、令和元年12月に、循環器病基本法を制定し、この中で、都道府県に循環器病対策推進計画の策定を義務付けました。
こうしたことから、本県においても、計画の策定に着手し、令和3年6月に第1回の検討部会を開催しています。
循環器病のうち、この計画においても柱の一つとなる脳卒中は、適切な治療を受けられる病院に、迅速に搬送されることが重要です。
具体的には、血栓を薬で溶かす治療法であるt-PAを、発症後4.5時間以内に行うことで、後遺症を減らすことができます。
しかし、現在、救急隊が、t-PAに適切に対応できる病院の情報をもとに、搬送できる体制が構築されている地域は、県内の一部に限られています。
そこで、地域ごとの搬送や、t-PA対応病院の実態を把握したうえで、県内全域で、体制を構築できるよう検討していきます。
また、脳卒中は、発症後のリハビリや、再発予防も重要です。
そのため、ヘルスケア・ニューフロンティアの取組として、川崎市殿町等を中心に、急性期脳梗塞に関する研究の他、麻痺した機能の再生やリハビリに関するアカデミア、企業等の研究を支援していきます。
こうした取組みを盛り込み、今年度中に循環器病対策推進計画を策定し、神奈川らしい循環器病対策を進めてまいります。