公明党神奈川県議団
困難な問題を抱える女性への支援の充実について
(3)妊産婦のメンタルヘルスケアの推進について
西村 くにこ議員(川崎市川崎区)

西村議員質問
妊産婦は、ホルモンバランスや環境の変化等で心身のバランスを崩しやすく、メンタルヘルスに問題が生じやすい状況にある。
国は令和5年度の補正予算で、産科・精神科等の地域の医療機関と、市町村等地域の関係機関が連携し、ネットワークを構築するための経費を都道府県に補助する「妊産婦のメンタルヘルスに関するネットワーク構築事業」を創設した。
本県でも、こうした補助制度も活用しながら、子育て施策を担う市町村と産科や精神科等の医療機関がしっかりと連携できる体制を作り、メンタルヘルスに課題のある妊産婦の方を、しっかりと地域で支える体制を作ることが急務であると考える。
そこで、妊産婦のメンタルヘルスケアの推進に向けて、今後、県としてどのように取り組んでいくのか、所見を伺う。
知事答弁
県内では、産科医療機関が妊産婦にメンタルの課題があることを把握した場合、市町村に情報提供するとともに、市町村の保健師が必要に応じて面談や個別訪問を行うといった対応をとっています。
また、妊産婦の中には、ご自身で精神科のクリニックを探し、通院する方もいらっしゃいます。
一方で、産科の医療機関からは「精神疾患には対応できない」、精神科の医療機関からは「妊産婦に薬を処方してよいか分からない」といった声も多くあり、結果として軽症でも精神科と産科の両方を持つ基幹的な病院を受診することが多く、患者が集中しています。
そこで県では、国の補助金を活用し、メンタルヘルスに課題がある妊産婦を、症状の程度に応じて、関係機関が連携して「地域全体で支えるネットワーク」の構築を目指します。
具体的には、精神の不調が軽度の妊産婦に対しては、地域の身近な産科と精神科、それぞれの医療機関をはじめ、市町村や保健所も含めて緊密に連携することで、精神面でのケアも行いながら出産や子育てができるよう、体制づくりを行っていきます。
この中で、もし精神症状が重症化した場合は、地域の基幹病院に円滑につなぎ、より専門的な対応を行います。
こうした体制を整備することで、妊産婦のメンタルヘルスにも配慮した環境づくりを進めてまいります。
要 望
2020年以降、妊産婦の死亡原因の第一は自殺となっています。動機や原因についての分析によると、妊娠中の女性では、望まない妊娠、交際問題などの割合が高くなっています。私が、困難な状況にある妊産婦の支援について繰り返し質問を続けている理由の一つがここにあります。
妊娠から出産に至る女性の心理は、妊娠の経緯や年齢、経済状況、家族、教育、そしてメンタルヘルス等の様々な要因の影響を受けますが、特に、妊娠が女性にとって予期していなかったものである場合とか、未婚、未成年などの理由で、周囲の理解を得にくいものである場合、妊娠そのものを受けとめることができず、心理的・社会的に親となる準備もできていない。人知れず子供を産んで、時にはその子を意図せず死なせてしまう。また、自分自身も、命を絶ってしまう。命を宿し、育む女性が、自ら命を絶つようなこんな連鎖を断ち切りたいと願っています。
困難な状況にある妊産婦を把握し、保護できる体制の整備を強く求めておきます。
また、たとえ計画していた妊娠の場合でも、経済環境や家族関係の変化、そして心身の不調などにより、妊娠を前向きに捉えられなくなる場合もあります。
妊産婦の自殺の原因、産後の自殺の原因動機の詳細では、健康問題の中では、鬱病が79%でした。メンタルヘルスの重要性は明らかです。大変前向きにご答弁いただいてありがとうございます。
ただ一つ提案をさせてください。大きな問題になるまでに、気づくことが重要だと思うんですが、本県が進めるヘルスケアニューフロンティア政策では、県民にとって身近な課題である重点領域の一つに、メンタルヘルス、ストレスが挙げられています。
家庭や職場のストレスの状況の見える化を通じて、早期発見・介入を図るとありますが、妊産婦の場合、妊娠を機に退職を選ぶ方もいたり、第三者との接触も減ってくる。なかなか、周産期うつの兆候などを感じ取れる周囲の人が少なくなってしまう。こういうこともあるのではないかなと思うのですが、最近では、指輪型のヘルスケアデバイスとか、これ心拍数やストレス値、睡眠の質を計測したりするんだそうです。音声バイオマーカー技術で、スマートフォンに話し掛けると、声から心身の状態を可視化するデバイス、こういったものを開発されています。
妊産婦に貸し出したり、情報を提供したり、このような最新技術を導入していくことも、どうぞご検討お願いいたします。