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平成29年 第1回定例会 (3月)

■子どもの貧困対策、県の体制が充実

黒岩祐治知事は、わが会派の代表質問に対し、子どもの貧困問題への取組として、今年度、公明党の要望により県民局長の兼任で設置した「子どもみらい担当局長」を29年度から専任化するとともに、子どもの貧困対策を担う中心的組織として「子ども支援課」を新設すると答弁した。同じく公明党の要望に応えて設置した「子ども・青少年みらい本部」の部局横断的な取組を実効あるものとするために企画、立案、調整を行う組織体制が強化されたことになる。

■女性の貧困問題に新たな取組

代表質問では、女性の貧困の背景には、わが国に根強い男女間格差や性別役割分担意識があること、また、貧困状態に陥っている女性の中には、何らかの障害を抱えていたり、性暴力やDV、虐待、いじめなどによって精神に大きなダメージを受け、家族や社会から孤立してしまっている人も多く、その対策には、綿密な調査と幅広な政策が必要と主張。
知事は、平成29年度改定予定の「かながわ男女共同参画推進プラン」で、困難を抱える女性に対する支援を新たな重点課題とするとともに、男女の生活や意識における偏りや格差を明らかにする「ジェンダー統計」の必要性を同プランに明記すると答弁した。

■軽度障がいの高校生に通級指導

発達障がい等、比較的軽度の障がいのある児童・生徒が、大部分の授業を通常の学級で受けながら、一部の授業について障がいに応じた個別の指導を別の教室で特別な場で受ける「通級指導」。平成30年度から、現在の小中学校での実施に加え、高校における通級指導が国により制度化されることとなったことから、神奈川県でも、早急に導入を検討すべきであると指摘。
桐谷次郎教育長は、29年度、通級指導を行う県立高校を複数校指定し、30年度の円滑な導入に向けて準備を進めていくと答弁した。

■介護ロボットの普及を加速

「どうすれば必要としている人が使えるようになるのか」「どのような人に、どのようなロボットを使って、どのような効果があったのか」という情報が介護や生活の現場に届いていないことを代表質問で指摘。
知事は、来年度から「介護ロボット導入相談センター」を設置して事業者のニーズに応えるほか、神奈川リハビリテーション病院にもリハビリロボットの専門的な相談窓口を設けていくことや、ロボット政策を掲載している県のホームページに、事業所での導入効果をわかりやすく掲載するなど、ポータルサイトとして充実させると答弁した。

■テレワークによる「働き方改革」を推進

 長時間労働を前提とした働き方を根本的に変えることは、県庁の労働生産性を向上させ、ひいては県民の利益にもつながっていくこと。また、職員が時間を効率的に使い、多様で柔軟な働き方を実現するためにテレワークは有効な手段であることを、代表質問で指摘。
知事は、育児や介護に関わる職員を対象に、全庁で100名規模にテレワークを拡大すると答弁。さらに、限られた人的資源を、業務の質量に合わせて適正に配分するために、職員数や労働時間から事務量を計測することにより、無駄な事業を見つけて効率化を図るという計数的管理手法を提案した。

■「健康経営」で生産性を向上

神奈川県が進めるCHO(健康管理最高責任者)構想は、長時間労働の軽減などにより、労働生産性や健康満足度を向上させる一方、医療コストを縮減し、企業価値を高めるという戦略であり、中小企業の働き方改革に積極的に活用すべきであると提案。
知事は、「マイME-BYOカルテ」を活用して、健診データに基づいた効果的な健康づくりを県内中小企業に普及させるとともに、さまざまな業界団体に医師などの専門家を派遣し、職場や働き方によって異なる課題に応じたアドバイスや情報提供を行っていくと答弁した。

■動物保護の施策が一歩前進

現在の動物保護センターでは空調のない檻の中で複数の犬が一緒に飼育されたり、散歩がおよそ週に1度だったり、動物福祉の観点から課題があることを指摘。また、殺処分ゼロの継続に向け、ボランティアへのさらなる支援を求めた。
知事は、ボランティアの意見を参考に環境改善に努めていくことや、犬や猫をボランティアに譲渡する前にワクチン接種を済ませることで、その後の経済的負担を軽減すると答弁。また、質問の中で、10匹以上の多頭飼育を届出制にする条例の必要性を訴えた。

■ディザスターシティで訓練を充実

ディザスターシティとは、市街地の災害現場をリアルに再現した、米国における大規模な訓練施設。災害が多様化、大規模化する中、県の消防学校の機能充実にあたっては、ディザスターシティをお手本にという私たち公明党の提案が実現する。
水没したり土砂に埋まったりした建物や車から人を救出する訓練や、人命探索ロボットの実証実験を行うことができる、東京ドーム1.7個分、総面積8.1haに及ぶ国内最大級の施設が29年度に誕生する。

■老朽化した警察宿舎は整理統合

現代のライフスタイルに合っていない手狭な宿舎は、入居率が年々低下し、いわゆる歯抜け状態が長く続いたため、設備に不具合が生じ、家族向けの宿舎約1,300戸のうち、すでに380戸ほどが使用不能になっている。空き家だらけとなった宿舎は、近隣住民に不安を与え、まちづくりの障害になることもある。
警察本部長は、老朽化して入居率の低い宿舎を統廃合しながら、民間資本を活用したPPP方式で新しい宿舎を整備していくと答弁したが、完了までには長い年月を要することから、そうした新築整備とは別に、老朽宿舎の整理統合を進めていくべきであると訴えた。

■「持続可能な開発のための教育」(ESD)、県立高校で周知へ

本会議の一般質問で、県立高校における「持続可能な開発のための教育」(ESD、持続発展教育)について質問。環境、貧困、平和など地球規模の課題を学び、持続可能な社会づくりの担い手を育むESDが、教育現場に浸透していないことを指摘。2015年に国連総会で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)も含め、積極的に県立高校で学ぶよう主張した。
教育長は「授業改善に取り組めるよう、全校長が参加する教育課程説明会を通じて、ESDの考え方を周知していく」と答弁。加えて「総合的な学習の時間」の効果的な活用法を検討していくと述べた。

■認知症サポーター、ステップアップ研修実施へ

認知症サポーター養成講座の受講者が県内で42万人を超える一方、実際に地域で活動する姿は必ずしも十分に見えてきていないとして、サポーターが活躍する場を広げる取り組みを求めた。
知事は、来年度からサポーターのためのステップアップ研修を実施し、地域の認知症カフェなど活動先を紹介するモデル事業を行う意向を示した。

■共生社会実現へ「ともに生きるかながわ推進週間」

昨年の第3回定例会の予算委員会において、県立津久井やまゆり園事件を受けて策定した「ともに生きる社会かながわ憲章」の実効性を保つためにも、「ともに生きる社会かながわ週間」をつくるよう提案。知事からは「有効な手法の一つ。具体的に検討をしていきたい」という答弁があった。
これを踏まえて、県は来年度予算に「ともに生きるかながわ推進週間」を盛り込み、具体的な事業を展開することとなった。

■「3歳の壁」解消へ、「連携施設」を確保

昨年の代表質問、今回の県民・スポーツ常任委員会で「3歳の壁」の解消に向けた取り組みについて質問。
当局からは、3歳の壁解消のため地域型保育事業(0~2歳児対象)の卒園児の受け皿となる「連携施設」を確保するため保育所、認定こども園に加え、新たに幼稚園にも対象を拡大する答弁を引き出した。来年度、地域型保育事業連携対策緊急支援事業として具体化される。

■不登校・いじめ・暴力行為への対応強化

いじめ・不登校・暴力行為など、子どもの異変の背景には、虐待・貧困・発達障害など、さまざまな要因があり、専門家の介入なしには解決が難しい事例が増えている。公明党は、社会福祉等の専門的な知識・技術を用いて児童・生徒の置かれた環境に働きかけ、支援を行う「スクールソーシャルワーカー」の増員を訴えてきた。
新年度から、小中学校の拠点校配置(政令市を除く)が18人から24人に、県立高校では20人から25人に増員されます。また、心の問題に対応する「スクールカウンセラー」の設置も 県立高校拠点校が61校に広がります。

■教員の多忙化を解消

OECD(経済協力開発機構)による国際教員指導環境調査によると、日本の教員の1週間当たりの勤務時間は参加国中で最も長く、授業時間はほぼ平均並みですが、課外活動(スポーツ・文化活動)の指導時間、事務業務、授業の計画・準備時間などが長いことがわかりました。公明党は、教員が児童・生徒とじっくり向き合える時間を確保するため、教員をサポートする人員の配置や制度の新設を求めていました。
これを受け、教員以外の者でも対応可能な事務業務を行う「業務アシスタント」が試験的に配置される新事業が始まります。

■県立高校改革の推進

県立高校において、国際社会で活躍できる人材の育成、開かれた学校をめざし地域協働による学校運営等の改革を推進する。高校生等奨学金の拡充や障がいのある生徒に高校教育を受ける機会を広げるインクルーシブ教育も始まる。また、県立学校の耐震化や老朽化対策を実施するとともに、トイレの洋式化も新年度から順次整備される。

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